思考の混線

2016年4月29日の日を記憶するために。電子の壁に向かってひとり言。

アニメ

ウテナ決闘曲の解釈 ― 肉体の中の古生代、スピラ・ミラビリス劇場

『肉体の中の古生代』は第2話、西園寺との再戦で使われた。 『スピラ・ミラビリス劇場』は第5話、ミッキーとの初戦のBGMだ。 この2曲はもともと、演劇実験室万有引力の舞台『電球式アンモナイト』のために作られた。古生物、特にアンモナイトをモチーフにし…

ウテナ世界の決闘の勝ち方

ことさら新しい話でも珍しい話でもないのだが、決闘に絞った内容を記しておく。 「強さ」と「気高さ」 決闘におけるバロメータは、冒頭のおとぎ話で繰り返し語られる「強さ」と「気高さ」の2つだ。この合計値が高い方が決闘の勝者となる。 ここでいう「強さ…

現代アニメとまどマギの相似 – 無限の自己救済

本投稿では「エヴァンゲリオン」以降のアニメを「魔法少女まどかマギカ」とリンクさせて語ってみる。断っておくが、以下に述べることがまどマギのテーマだとは思っていない。それでも重なる部分はあると思う。 ポストエヴァの停滞 エヴァが突きつけた命題は…

新劇場版エヴァの解釈 - 庵野監督の懺悔

旧エヴァの失敗 前項までに書いたメッセージはどのようにオタクに受容され、影響を与えたのだろうか。 結論を述べると、大勢として受容されることはほぼなかった。それどころか、庵野の望みとはまったく逆の方向に進んでいった。「捨てよ」と命じられたはず…

エヴァンゲリオンの縦軸 – シンジの成長と選択

アスカ⇔綾波の対立を物語の横軸とすると、縦軸はシンジの成長だ。以下でそのメタファーを解説する。 1.セカンドインパクトとは何か 物語の発端であるセカンドインパクト。なぜセカンドから始まるのか。それは「第2次性徴」のメタファーだからだ。とすると…

エヴァンゲリオンの横軸 – リベラル左翼の表現

本稿ではテレビ版と旧劇場版について記す。 1.現実と空想の2項対立 庵野監督は根っからのリベラル左翼であり、フェミニストである。それはエヴァ以前の作品を見れば瞭然だ。『トップをねらえ!』に『ふしぎの海のナディア』と、自由で強く、自立した女性像…

「萌え」の構造についての備忘録

好き好んで読む方もいないでしょうが、前々から考えていることをつらつら綴ります。